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PASSAGE by ALL REVIEWSとは

世界一の本の街・神保町の中心交差点から5秒
最高の立地で、月額4,000円から一棚本屋になれます

PASSAGEとPASSAGE bis!は、「すずらん通り」に位置、PASSAGE SOLIDAは、神保町交差点から徒歩約5秒!各店舗間は1分程度で移動可能です。世界最高の本の街の中心で愛する本を手渡していきましょう!パートタイム店長や一日店長として、直接店頭に立つことも可能です。

書評アーカイブWEBサイト〈ALL REVIEWS〉が母体となって2022年3月より運営

ALL REVIEWS(https://allreviews.jp/)のリアル店舗化を目指した1号店〈PASSAGE〉は2022年3月にオープン。現在に至るまで、ICTを駆使した最新鋭のシェア型書店として、多くのノウハウが蓄積されています。またすべてのプロデュースは仏文学者・鹿島茂。実店舗はすでに、多くの作家/評論家の集う、パリのサロンのような雰囲気のある書店となっています。

3店舗合計1000棚以上に多彩な棚主が入居中

PASSAGE、PASSAGE bis!、PASSAGE SOLIDAを合計で1,000棚以上世界最大のシェア型書店で、700人(2024年3月現在)を超える棚主仲間と、ともに本の未来を考えていきましょう!文学賞受賞作家も多数出店中。またすでに多くの独立系書店、シェア型書店の巣立つ場所となっています。農業・林業・漁業・畜産・建築・製造・服飾・IT・飲食・広告など出版以外の業種の法人、または地方自治体など行政機関も入居が可能です。棚主間のコミュニケーションも自主的かつ活発に行われています。

雑貨の販売もOK!

ブックカバー、しおり、ピンバッチ、ぬいぐるみ、石などの販売も可能です。PASSAGE bis!ではアクセサリー、食器の取り扱いも可能です。※販売料率は本とは異なります。

カフェやイベントスペースも併設。棚主特別価格でご利用可能

新刊発売イベントやパーティー、ワークショップなどの開催にご利用いただけます。また、各店舗には「展示台」を設置。スタッフの選書による特集が日々組まれ、本好きのお客様を楽しませています。

商品の登録手続きや棚の管理はすべてオンラインで完結
遠方の方でも、スマホからでも、お気軽にご利用可能

在庫管理はオンラインでリアルタイムに行われます。本が売れれば棚主のもとにメールでお知らせが届きます。販売する本は持ち込み/郵送いずれでもOK!売上もすべてオンラインで確認が可能。売上金は振込で行われます。

オンラインでの販売も同時に可能

棚の在庫は、手数料なしで簡単にオンライン販売を始められます!棚主になると発行されるマイページから、オンライン販売にしたい商品を選んでチェックをいれるだけ!!発送手続きは、店内スタッフが梱包、発送まで行います。

新刊の仕入れも可能

もちろん出版取次にも対応しており、新刊の仕入れ+販売(PASSAGEを通じての仕入れ)も可能です。※新刊の場合は定価での販売となります。

棚貸しシステムレンタルの実証実験も実施中

PASSAGEでは書店の持続可能性を高めるために「棚貸し書店システム〈SOLIDA〉」の提供も行っております。棚貸し書店システム〈SOLIDA〉の使用を希望される皆様は、こちらからお問い合わせください。書店のみならず、他業種(カフェやバーなど)の方も歓迎です。

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PASSAGE 3号店
PASSAGE SOLIDA(パサージュ・ソリダ)開店の辞
―鹿島茂

このたび、PASSAGE三号店(二号店は一号店と同じビルの三階にあるPASSAGE bis )として、同じ神田神保町にPASSAGE SOLIDA(パサージュ・ソリダ)を開店することとなった。場所は神保町交差点から靖国通りの南側(つまり古本屋が軒を並べている側)を神田駅方面に三軒ほど戻ったところで、一昔前までディスク・ユニオンが入っていた店舗といえばわかりやすいだろう。

当然、家賃は非常に高かったが、あえて進出を決意したのは、考えがあってのことである。それについてこれから語りたいと思う。

意図は、PASSAGE SOLIDAという店名に明快に示されている。

SOLIDAというのは、フランス語のSOLIDALITE(連帯)を勝手に省略形にしたものである。つまり、PASSAGE SOLIDAは「連帯としてのPASSAGE書店」ということになる。

この店名を、私を個人的に知っている人が聞いたら、驚き、呆れ、そして顰蹙するはずだ。なぜなら、私ほど自己利益に敏感な人間はいないからで、「連帯」などは最も縁遠い言葉のはずである。

では、なにゆえ、そんな私が「連帯」という理念を掲げた書店を開くのかといえば、それは、人口減少に歯止めがかからない日本において、「紙の本」という「知のインフラ」を守っていくには、連帯しかないと結論したからである。

だが、誰との連帯なのか?

普通なら、「本を愛するすべての人との連帯」と答えたいところだが、いまや、それでは不充分だと考えるに至った。「本で食べているすべての人との連帯」としなければならないのである。

なぜか?それは、書籍業界というものを潰してはならないと考えるからである。

書籍業界は紙の本という工業製品を製造し、それを売買することによって成り立っているが、まさにそれゆえに、もし、紙の本が絶滅したら、それを後代の人間が復元することは不可能に近いのだ。絵画のような一点ものの芸術作品なら後代がニセモノをつくることは容易だが、工業製品はニセモノをつくっても採算が合わないから、だれもこれをつくろうとは思わないのである。

紙の本は紛れもない工業製品である。ゆえに絶滅したらそれでおしまいなのである。

ここまでいえば書籍業界を潰してはならないという意味がお分かりいただけたかと思う。
では、書籍業界を潰さないようにすればどうすればいいか?

ごく普通の「街の書店」が潰れないようにするしか方法はない。なぜなら「街の書店」という川下のインフラが崩壊すれば、必然的に川上の出版社や印刷所も崩壊し、さらに本を書いて食べている物書きも消滅せざるをえないからだ。
だが、「街の書店」とPASSAGE がどのように連帯すればいいのだろうか?考えに考えた末に出した答えは以下の通りである。

①PASSAGE SOLIDAが創った共同書店の棚貸しビジネス・モデル、 とりわけそのAI管理システムをパッケージ化し、これを加入希望の街の書店に採算ラインギリギリでレンタルする。つまり、 フランチャイズ化したPASSAGE SOLIDAに街の書店に加入してもらう。

②街の書店は、 店の書棚の一部(全体の五分の一程度を想定)を共同書店用の棚として、 加入者を募集し、 棚のレンタル料として加入者から毎月の支払を受ける。 棚のレンタル料はPASSAGEシステムの手数料を引いた分が街の書店の利益となる。 棚主は棚のレンタル料を街の書店に支払うことで、 連帯して書店の経営を支える。 街の書店としては設備投資費用は必要とせず、 棚をいくつかPASSAGE SOLIDAに開放するだけである。

③棚賃を支払って棚主となった加入者はその棚に自分が選書した本を並べて販売する。これはPASSAGEと同じである。売上からPASSAGE SOLIDAと街の書店の手数料を差し引いた分が棚主に還元される。 棚主は自分の推し本が売れることで自己表現願望を満たせると同時に多少の利益も得ることができる。

④街の書店は共同書店とした棚以外では通常と同じように新刊書を販売する。これにより、共同書店を目当てに来た客にも新刊書を販売することが可能になる。 

⑤PASSAGEとPASSAGE bisがそうだったように、 棚主相互の間でコミュニケーションが生まれ、 街の書店が本好きのコミュニケーションの場となる。

⑥よって、街の書店は消滅せず、書籍業界も崩壊せずに済む。

もちろん、これが想定した通りに実現できるか否かはわからない。しかし、なにもしなければ、街の書店は確実に消滅し、書籍業界それ自体が消えてゆくのである。だが、こうした提案に対しては、次のような反論がありうるだろう。

すなわち、街の書店がPASSAGE SOLIDAのために書棚をいく棹か割くならば、その分、そこに並んでいた新刊書が売れなくなるのだから、出版社や著者にとってマイナスになるのではないか、またそれでは紙の本の業界全体を救おうとするプロジョクトの精神に反するのではないか?ごもっともな指摘である。そこで、われわれも考えた。すなわち、こうすればよいのではないかと。

現在、PASSAGEでは現金販売をなくしてカード払いに一元化することで会計・売上統計・経理のシステムを完全に自動化している。この自動化システムに多少工夫をくわえれば、一冊一冊の本について、それがどんな著者のどんな本でどんな出版社の本であったのかを追跡できるようになる。ならば、売上から、数パーセントを著者と出版社にも還元することが可能になるのではないか?ひとことでいえば、古本が売れても、著者と出版社に利益が還元されるという画期的なシステムを構築することは可能なのである。

これぞ、連帯のシステムではなかろうか?

神田神保町・靖国通りにあらたに開店したPASSAGE SOLIDAは、こうした書籍業界を潰さずに永遠に存続させるシステムの総司令部になるはずである。いや、そうならなくてはならないのである。

2024年3月吉日 鹿島茂

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