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海と毒薬(角川文庫)

¥360税込・送料別
商品の状態
非常に良い
ISBN
9784041245255
この本がある棚:All you need is BLUE LOVE
【2026/09/14】久しぶりの試みとして新品を新刊注文して仕入れました。
『アンチ・スポーツの哲学』
『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』
『切支丹の里』の3冊です。よろしくお願いします💙️
ღ .:*・゜♡゜・*:.ღ… 棚の紹介を読む
商品の説明
著:遠藤 周作

今年は遠藤周作の没後30年とのこと。遠藤周作の小説は時間があるときに落ち着いて読みたいなと思っていたこともあり、最近はまっています。小説としては過去に読んだ『沈黙』は、もともと私のすごく好きな作品です。今後それも出品もすると思いますが、ここのところ出品中の『白い人、黄色い人』『留学』と読んできました。そして、テーマがテーマだし、もし描写がグロかったら怖いしと、実に30年以上迷い続けてようやく読む気になった『海と毒薬』がそのなかでは最もあっさりしてクセがないかもしれない。

先に挙げた遠藤周作の小説の登場人物は、自分の心境を述べるのみならず、その自分の心境を自分で問うて否定してみたり、自分がどう見られているか俯瞰的に見るというメタ的なところが本当に面白いなあと思います。日本だとそういうのは「自意識過剰」といわれて否定されがちですし、たしかにそうかもしれないけれど、遠藤周作の小説はそこで終わっていないところが私は好きです。


本作は、よく言われてる通り、罪に対する罰として、世間体としての罰を恐れ感じることができても良心としての罰をなんとも思わない、つまり良心から罪を感じないのなら、それってどうなんでしょうという話です。もちろん、この物語では、戦争でもうどっちみち死んでしまう、自分達には未来がないんだからもうどうにでもなれという絶望とか感受性の麻痺のせいというのが大きい。戦争の恐ろしさってそこだと思います。絶望と感受性の麻痺。

けれども、そういう極限的な状態に関係なくても案外日本人って罰は怖くても罪はなんとも思っていないし、むしろうやむやにする傾向がことさら強いんじゃないの?というのを、著者は戦時中・戦後と考えてきた人なんだろうな、と私はこの歳になってやっとわかってきました。日本人に限らないかもしれませんが、その傾向がことさら強いということを、信仰と関連付けて考えようとしたんだろうなあ…神様ってまさしくメタな視点ですものね。

本書はとても読みやすいのでとっかかりとしてお勧めです(なお、全然グロくありません)。7月になりましたし、時期的にもちょうどいいのではないかと。

All you need is BLUE LOVE 棚主の松永りえより💙

PS:角川文庫版の『海と毒薬』は、冒頭に「あらすじ」として小説の展開が書かれていますので、背景も知らなくて、まだ知りたくなくて、ネタバレ嫌な人は注意!
All you need is BLUE LOVEの選書理由
最近、なぜか遠藤周作の作品に嵌まっているというのが大きな理由ですが、同時に戦争を考えるテーマにも合っているからです。
異常事態は人間の良心なんて二の次どころか置き去りにされてしまう…そのことを突きつけられますし、認識しましょう。