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鳥の事務所

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2022年03月から出店しています。
◎総特集=叶えられなかった祈り――トルーマン・カポーティ歿後40年
当棚は、書評同人誌『鳥――批評と創造の試み』を母体とした、原則として期間を限定した特集を方針とする書棚です。
今を去ること40年前、1984年8月25日に、アメリカの作家トルーマン・カポーティがこの世を去りました。弱冠19歳にして短篇小説「ミリアム」で注目を集め、第一長篇小説『遠い声、遠い部屋』で、まさに全米の読書界を震撼とさせました。その後、中篇『ティファニーで朝食を』は、オードリー・ヘプバーン主演で映画化され、カポーティの文壇での位置を確かなものにしました。ところが、今までのリリシズム溢れる作品とは打って変わった第二長篇小説『冷血』は、実際の殺人事件に取材した力作でしたが、この事件が内包する事実の重さがカポーティの小説家としての能力を吸い取ったのでしょうか、その後、長期的な衰退へと向かい、実人生においても、まさに悲惨としか言いようのない末路を遂げます。偶々村上春樹さんによるカポーティ作品の翻訳が出始めています。この機会に再び、この稀有な小説家の全体像を検討してみたいと思います。どうか宜しくお願いします。

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