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JAZZ Session BOOK STORE

JAZZ Session BOOK STORE

2023年04月から出店しています。
JAZZ Session BOOK STORE からのお知らせ
・2024年2月18日(日)12:00〜19:00まで、PASSAGEにて一日店長を務めます。フロアー中央のテーブルで商品の販売もおこないます。よろしくお願いします。
・2023年5月19日 オープンしました。


当店は、シェアラウンジ「PASSAGE bis!」内にある一棚書店です。
棚主が読んで面白かった本をご紹介しています。

場所は「PASSAGE bis!」入口すぐ左側の書架、
上から2段目左側です。よろしくお願いいたします!

3F「PASSAGE bis!」フロアガイド(PDF)
https://passage.allreviews.jp/images/floorguide.pdf

〒101-0051
東京都千代田区神田神保町1-15−3
サンサイド神保町ビル3F
PASSAGE bis! アングル大通り3番地

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棚(ご利用案内にかえて)


ある日、ひとりの少女がその棚をおとずれる。棚にならぶ本は、彼女の目線より高い場所にある。

彼女は顔をあげ、斜め下から本の背表紙を端からひとつひとつ丹念に見ていく。ふいに手が伸びて一冊抜きとろうとするが、本にふれる直前で彼女の手はとまる。

ふり返り、店内を見まわすと壁のひとつに目をとめる。折り畳まれた黒い脚立がそこに立て掛けられている。

彼女は脚立のそばへ行き、すこし離れたカウンターをみて中にいる女性に声をかける。

これ、お借りしてもよろしいでしょうか?

声はちいさく、そのことが彼女自身を驚かせる。幼く弱い自分がそこには表れているようでかなしくなる。女性に届いたのか不安になる。

女性は手をとめて彼女のほうへ歩いてくる。すこし緊張しながら、彼女はその女性の顔を見つめている。

こちらですか? どうぞ、お使いください。

少女のそばにきて笑顔で声をかけると、女性は戻っていく。ひとくみの男女がカウンターにやってきて、もどったばかりの女性に声をかけるとコーヒーをふたつ注文する。

少女はそのやりとりをしばらく眺めていたが、視線を脚立にもどして、ふうっとちいさく息をはいた。

彼女は両手で脚立をもちあげ、棚の前まで運ぶ。思っていたよりそれは軽く、彼女はすこし安心する。

棚のまえに着くと脚立は開かれ、彼女の前に三段のステップがあらわれる。ふうっとちいさく(こんどはすこしながく)息をはいたあと、彼女はステップをのぼりはじめる。

さきほど下から眺めた棚が、すこしずつ彼女の顔に近づいてくる。ウェルカムという声が、どこからともなく彼女の耳に届く。

やっとついたわ、と彼女は心のなかでだれかに呼びかけ、先ほど手を伸ばした本の背表紙に指をかける。

本はひき抜かれ、彼女は両手で本を持ち直すと、表紙に視線をおとす。その口元に浮かんだかすかな笑みを、本だけが目にする。

どこからか、こんにちはという声が耳に届くと、こんにちは、と彼女もそっと挨拶をかえした。

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